ワインを食事と共に愉しむ時、まずは辛口の白を合わせることが多いのは何故でしょう?
また、この辛口とはどういったものを指すのでしょうか?
ワインの種類
ワインには赤、白、ロゼやスパークリングワインといった種類があります。
そして「ワインは料理の最後のソース」とも言われます。
食事をより素晴らしいものにする力のあるこの「ソース」ですが
実は結構相手を選んでしまうところがあります。
たとえばフルボディの赤ワインのタンニンは、
前菜に出てくるような酸味を活かしたアンティパストや出汁の効いた魚介のテリーヌなどとは
合わせにくいことが多いものです。
ところが逆に、フルボディの辛口の白ワインは塩胡椒でローストしたジビエや
軽いグレイビーソースのローストビーフなどとの相性も良いのです。
これにはリンゴ酸の要素が影響しています。
白ワインの酸味はリンゴ酸に依るものです。
料理の構成要素と調和すれば当然相性がいいのです。
辛口とは?
では辛口とは何を指すのかといえば、このリンゴ酸と甘味のバランスです。
アルコールは糖から作られますが、
この糖がどのくらい残った状態でアルコール発酵を止めるのか、それが味を左右します。
一般的なイメージでは、シャルドネやリースリング、ゲヴェルツトラミネールは辛口と思われています。
ですが産地や造り手によってはそれに止まらないワインも多くあります。
辛口とは食事に合わせる白ワイン、というイメージですが、
実は甘口のワインでも食事に合わせることは多いのです。
代表的なのはフォアグラです。
ソーテルヌの貴腐ワインと相性が良く、辛口の白を合わせる時は甘い果物のコンポートを添えたりします。
また、和食の口取りや八寸などの甘味をつけた料理にも合います。
とはいえ、やはり日々食べる食事に合わせやすいのは辛口の白ワインです。
日頃ビールやハイボールを食事時に飲む方からすると、
違和感なく入っていけるというのは間違いありません。
また多くの種類のワインがあるのも魅力です。
産地毎の違いやブドウ品種による変化はバラエティに富んで飲み飽きません。
特に世界中で栽培されている品種、シャルドネやリースリングは
その土地の風土や地形によって驚くほどの変化を見せます。
また近年の醸造法の多様化によってステンレスやオークなどの樽の使い方により味のふくらみ、
香りの変化が実に多彩になっています。
白の辛口ワインの進化は、食生活の多様化にともない、
もっと自由にもっと大胆に進んでいくことでしょう。